皇城だったり、日常だったり、今ハマってるものとかさ。(´・ω・`)ショボーン…
2012
久しぶりに皇城書いてみました♪
だけどこれ誰!?状態かもしれないですが、そこは目を瞑ってください。
お願いします(笑)
庭師視点の庭師→妃?(時々姫)です。
「お……終わった……!」
カリっとペンの走る音が止んだと思ったら、沙百合さんはテーブルにあった原稿とインクそれにペンを床に置いてテーブルを枕にする様に頭を乗せた。
その顔は今までの苦行からようやく解放された顔をしていて。
「お疲れ様、沙百合さん」
僕はそんな沙百合さんの頭を撫でて、すぐにまだ手伝っている分(ちなみにトーン貼りっていう点とかのシール…厳密にはシールじゃないらしいんだけど、それを原稿に貼る作業)を再開する。
「年上だからって頭撫でるとか、子供扱い禁止!」
「年上って、一つ上なだけだけど?」
「うるさーいっ、禁止って言ったら禁止!」
でも僕の手を振り払わなかったって事は嫌じゃないんじゃないのかなって思ったけど、それは口に出さないでおく事にした。
「あ、そうだ。沙百合さん」
「……」
「沙百合さん……?」
「……」
呼んだのに返事がない。
どうしたのかと顔を覗いてみると、
「……寝てる」
小さな寝息を立てて沙百合さんは寝ていた。
それはそうだ。本人も何日寝てないのか分からないって言ってたんだから。
「おやすみなさい」
彼女が起きない様に小さく呟いて、僕は作業再開した。
夏休み。
生徒会の皆さんとは会ってるのに沙百合さんだけ会っていない…というか部屋から一歩も出ていない事に気がついたのは夏休みが始まって一週間が過ぎた頃だった。
食事も皆で食堂で食べずに一人で自室で食べているみたいで、心配になった僕はルームメイトの桜城院さんに聞いてみると、夏休み最後にある…確かこみけ?という場所に自分で作った本を販売するらしく、今は一人で寝る間も惜しんで原稿を描いていると説明された。
そんなに忙しいなら僕にも手伝える事はないかな?と思ってとりあえず彼女の部屋の前までやって来た。もちろん女の子の部屋に勝手に上がるわけにもいかないから、ルームメイトの桜城院さんも一緒に。
部屋の中に入り沙百合さんの自室を何回ノックをしても返事がない。
起きてる筈なんですけど…と隣にいた桜城院さんが呟く。
ふと僕の中で嫌な予感がした。寝る間も惜しんでやってるって聞いたから、まさか寝不足で倒れてるんじゃないかと心配になった僕は急いで扉を開けた。
鍵はかかっていなくてすんなり開いたドアから冷んやりとした風が来る。そして床を見て見ると所狭しに紙…原稿?が散乱していて、沙百合さんは僕達に背を向ける様にテーブルで何かやっていた。
部屋の中では、カリカリカリと何か荒い音が聞こえてる。
「誰よー?」
そう言ってこちらを向いた沙百合さんは、僕と目が合った瞬間目を見開いて、
「え?ちょっ!庭師!!?なんでアンタがここにっ…て、一回部屋から出て行って!!」
とあまりの剣幕で沙百合さんが叫んだから僕は思わず「ごめん!」と言って急いで部屋を出て扉を閉めた。
その後部屋から慌てた沙百合さんの声と、ガサガサと何か集めた音が聞こえて、静かになったと思ったらゆっくり扉が開いて沙百合さんが顔を出した。
「……何の用?」
沙百合さんの顔は疲れきった顔をしていた。目の下も凄いクマが出来ている。
「いや、夏休みに全然姿を見なかったから様子を見に来たんだ。大丈夫?」
「大丈夫よーと言いたい所だけど、いつから寝てないのかわからないぐらい疲れてる」
「……やっぱり。沙百合さんはすぐ無理をするんだから」
「だってしょうがないじゃない。いつもならPCでささっと終らせられるのに、壊れちゃって全部手描きになっちゃったんだから」
沙百合さんが頬を膨らませながら不機嫌に言う。
「終わりそう?」
「きーかーなーいーでー!考えたくもない」
本当に考えたくないのか沙百合さんは眉間を押さえながら言う。
……僕は役にたてないかな?
「僕に手伝える事ない?」
そう言うと沙百合さんは驚いた顔で僕を見る。
「手伝い!?」
「うん」
「あんた漫画のアシスタントした事なんかないでしょ?無理よ」
「……だけど、今の沙百合さん、僕は見てられない。だから手伝いたい。……だめかな?」
「だめかなって……うーん……」
沙百合さんは考えながら腕組みをする。小さい声であのシーンは終わってるし、見られてマズイ所は…と呟いてから僕の顔を見た。
「実は猫の手も借りたいぐらい大変なの。だからごめん、お願い手伝って」
「謝らないで。だって僕が言い出したんだから」
「それもそっか。じゃあ部屋に入って。あ、乾かしてる原稿とかあるから床ちゃんと見てね」
「うん、わかった。気をつけるね」
沙百合さんから許しを貰って僕は手伝う事になって、現在に至る。
因みに最初一緒にいた桜城院さんも一緒に手伝っている。彼女は誤字がないか原稿をチェックしていた。
「私も終わりました」
桜城院さんもふぅと一息ついて僕を見る。
「お疲れ様」
「はい、お疲れ様でした。先輩ももう少しですね」
「うん。もうすぐ終わるよ」
お互いを労った後、桜城院さんは部屋の時計を見て、
「……あ、私この後習い事があるので申し訳ないのですが」
「大丈夫、沙百合さんが起きたら伝えておくね」
「ありがとうございます。では……」
そう言って彼女は部屋を出て行った。
僕は沙百合さんを見る。
沙百合さん幸せそうに寝ているなぁ。見ていると僕まで幸せになれそうだ。
そういえば寒いような……
部屋は冷房が効いてるし半袖だと若干寒い。
僕は寝ている沙百合さんにブランケットをかけた。
その瞬間、沙百合さんがニッコリ笑って。
「……っ」
その表情を見た瞬間、僕の顔が赤くなったのは……
<それが恋と気がつくまで後……?>
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